第8回講演会「高次脳機能障害者の就労支援」を開催、野々垣 睦美氏による講演「すてっぷななでの取り組み」、並びに初めての試みである“事例検討会”を実施しました。

第8回講演会

今回も小金井市の後援を得て、11月29日(日)小金井市公民館貫井北分館で行ないました。参加者は、医療・福祉の専門職の方々を含め52名でした。

当会会員でもある稲葉小金井市長もご参加されました。

第8回講演会(野々垣睦美氏)

第8回講演会(野々垣睦美氏)

神奈川県において、高次脳機能障害者のための作業所「すてっぷなな」を11年以上にわたって運営されてこられた野々垣睦美氏は、高次脳機能障害者の就労支援についてお話されました。

  • 就職・復職までのプロセスだけではなく、本人が安定して働き続けることができるまで支援する。
  • 就労は生活の中に存在し、日常生活と切り離して考えることはできない。
  • 「働きたい」というニーズにのみ着眼し、職業に偏った評価・支援を実施することは現実的ではない。
  • 医療機関では把握できない問題点が多く、実際の生活場面での評価・支援が重要になる。

このような考え方のもとで、沢山の具体例・実践例を明るくフランクな語り口でお話しされました。参加者は“野々垣ワールド”にどんどん引き込まれていきました。

第8回講演会(上田敏先生と野々垣睦美氏)

第8回講演会(上田敏先生と野々垣睦美氏)

質疑応答に引続いて、当会顧問の上田敏氏による“事例検討会”が行われました。当会講演会では初めての試みで、ある高次脳機能障害者の事例をグループで議論し、解決の方向を探しました。 参加者は4つのグループに分かれ、しかも当事者・家族・医療福祉関係の専門職の方等がほぼ均等になるような編成で行いました。

この様な試みは講演会に交流会の要素をミックスしたものであり、これからも実施していきたいと考えております。

なお、次回の講演会は、2016年5月の当会総会時に行う予定です。