る2022年3月13日(日)14~16時にて、関啓子先生(三鷹高次脳機能障害研究所所長・言語聴覚士・医学博士)の講演会「大空はどこまでも~当事者となった高次脳機能障害専門家の13年~」を、当会でははじめてZoomによるオンライン形式で実施いたしました。
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なお、講演会の内容は、YouTubeでどなたでも視聴できます。詳細は、本記事の最後をご覧ください。
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第13回講演会

第13回講演会・テーマ

本講演のタイトルは「やればできる!/可能性は無限大!」を意味する英語”The sky is the limit”から連想した表現で、高次脳機能障害を対象にそのリハビリテーションに従事してきた演者の発症からの軌跡を表現しております。

講演内容(関啓子氏)

Zoomで講演中の関啓子氏

Zoomで講演中の関啓子氏

講演では、大空がどこまでも広く続き無限であるように、13年前の脳梗塞発症後、利き手である左手の麻痺や発話障害をはじめ多くの高次脳機能障害を負いマイナスから出発した演者が、紆余曲折を経て発症前と変わらぬ活動を再現し「やればできる」と無限の可能性を示すまでを語られました。
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講演の前半は「私の脳梗塞概略」、後半は「本経験から私が学んだこと」というサブテーマでした。
専門家が対象とした高次脳機能障害に!(関啓子氏)

専門家が対象とした高次脳機能障害に!(関啓子氏)

当事者が当会主催の講演会で演者となったのは初めてであり、終始当事者の視点・立場を踏まえながら、支援者を含む関係者に勇気を与える講演をしてくださいました。
優しい口調でしたが、先生の前向きな「折れない心」での(ある意味壮絶な)リハビリの努力も印象深いものがありました。
自費リハビリとリハビリ特化型デイサービス(関啓子氏)

自費リハビリとリハビリ特化型デイサービス(関啓子氏)

先生は講演の結びに、二人の方の言葉を引用されました。
「私は自分の障害を神に感謝しています。障害があったからこそ自分に気づかされ、自分のすべきことが見つかり、神に出会うことができたからです。」(ヘレン・ケラー)
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「目の前にある現実だけを見て幸福だとか不幸だとか判断してはいけない。その時は不幸だと思っていたことが、後で考えてみるとより大きな幸福のために必要だったということがよくある。」(フジコ・ヘミング)

質疑応答(関啓子氏、司会:上田敏顧問)

95分間の講演の後には、当会顧問の上田敏先生の司会で、事前に頂いた質問について質疑応答を15分行いました。
事前に寄せられたご質問の中から5件、関啓子先生と上田敏顧問より丁寧にご回答くださいました。限られた時間で駆け足になりましたが、少しでも参加された皆様の参考になれば幸いです。
講演会後の質疑応答(イメージ)

講演会後の質疑応答(イメージ)

当日の参加者は56名で、主な内訳は、当事者21名、当事者のご家族7名、医療・福祉職及びOT・PT・STの方々が15名等でした。(何れも申込ベース)
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当事者でもある関啓子先生には、講演内容をゆっくりと分かりやすく話して頂いたので、講演会に参加された当事者の方々も、最後まで集中して聞くことができて、いつも以上にご理解頂けたのではないでしょうか。

近況報告会(会員のみ)

講演会終了後、いちごえ会会員の「近況報告会」をZoomで開催しました。参加者は11名で、画面越しではありましたが、久しぶりの面々もありまた国家試験にチャレンジしている方など、とても懐かしくも刺激のある40分間でした。
質疑応答の際に上田先生が「レジリエンスは誰にも存する」とコメントされたことも印象的だったとの感想がありました。
コロナ禍の一日も早い収束と皆さんとのリアルな再開を願っております。
近況報告会の様子

近況報告会の様子

YouTube配信

関啓子先生のオンライン講演会の内容は、YouTubeにてどなたでも視聴できます。
(ご講演のうち質疑応答などを除いた正味93分)
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※2022/03/28追記:YouTube動画を再編集して差し替えました。

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