2018年5月19日(土)「第7回総会・第11回講演会」で行われた、いちごえ会顧問・上田敏先生による講演会内容を、ビデオ、プレゼン資料、配付資料でご覧いただけます。
プレゼン資料(PDFファイル) | 配布資料(PDFファイル) |
|
講師について
略歴
東京大学医学部卒、内科・神経内科研修後 リハビリテーション医学を専攻、ニューヨーク大学リハビリテーション医学研究所留学、東京大学医学部教授・リハ ビリテーション部部長、帝京大学教授、日本リハビリテーション医学会会長、国際リハビリテーション医学会会長を経て、現在、(公財)日本リハビリテーション協会顧問、いちごえ会顧問です。
主な著書
- 「リハビリテーションを考える」青木書店
- 「リハビリテーションの思想」医学書院
- 「リハビリテーション、新しい生き方を創る医学」講談社
- 「リハビリテーションの歩みーその源流とこれから」医学書院
講演内容(概要)
- 第1部 「いちごえ会」6年の歩み
- 第2部 「高次脳機能障害」とは?
- 第3部 「社会復帰(リハビリテーション)」とは?
第1部 「いちごえ会」6年の歩み
設立準備から現在までの活動内容を、写真を使って時系列に説明します。
6年間で、次のような多彩な活動を行ってきました。
- 設立準備・発起人会 4回
- 総会(年1回)7回
- 講演会(年1〜3回)11回
- 役員会(隔月)36回
- 相談会(随時)47回
- 交流会(年1〜3回)16回
- 茶和会(年2〜3回)10回
- カスタマイズ就業勉強会(2016年度)6回
- 新施設勉強会 7回
その他、小金井市の行事や他団体とも協力してきました。今後とも高次脳機能障害者と家族の支援を続けていきたいと思います。
第2部 「高次脳機能障害」とは?
改めて”高次脳機能障害”に関して、その定義と特徴について説明します。
診察相談や相談会などの経験を踏まえ、高次脳機能障害のさまざまな姿(「新しい」ものと「古典的」なもの)を紹介します。
高次脳機能障害から立ち直るためには、「プラスを伸ばし、上からよくする」という視点が大事です。
高次脳機能障害者の「こころ」の面から、本人の悩みを理解して、「プラス」(できること)を見つけて評価し、増やしていくことが重要です。
(脚注)上田敏先生が、”高次脳機能障害”という学術名を定義づけられました。
第3部 「社会復帰(リハビリテーション)」とは?
社会復帰(リハビリテーション)を、私は「全人間的復権」と考えます。
”リハビリテーション”の意味の変遷を通して、医学だけでなく、教育・職業・福祉・介護などの専門家と、地域社会が、本人・家族を中心に行う「総合リハビリテーション」の必要性を説明します。
リハビリテーションは、プラスの側面を伸ばすことが重要であり、障害当事者・家族 リハビリテーションの中心プレイヤーです。
「当事者の最良の利益」が実現できるよう、適切な助言・支援をする総合リハビリテーションが求められています。
当事者・家族は権利と責任を自覚し、専門家に頼り切るのでなく、質問や意見を言い、要望・要求を上手に伝えて実現してほしい。
最後に、魯迅 (中国 文豪) の言葉を紹介します。
私(たち)の歩く先に道はない。私(たち)の歩く後に道ができる。